芋焼酎と言ってもどのような原料芋から焼酎が造られているかご存知でしょうか。代表的なものは、「黄金千貫(コガネセンガン)」という種類の芋ですが、その他にも多くの品種の芋が使われており、その違いが焼酎の味わいにも大きく反映されます。芋焼酎が全国的に注目されるようになった頃から、原料芋はより美味しい焼酎を造りだすために品種改良が進められ、バラエティに富んだ味わいの芋焼酎が生み出されております。芋の品種にこだわって飲み比べてみるのも面白いのではないでしょうか。
黄金千貫の特徴
芋焼酎と言えばこの芋を連想するぐらい、原料芋として最もポピュラーな品種です。でんぷん質が豊富で、外皮・果肉ともに黄白色。蒸すと甘い香りが漂います。食べてもホクホクとして甘いのが特徴。この芋から数多くの銘酒が生み出されております。ジョイホワイトの特徴
1994年に開発された焼酎専用の新品種です。黄金千貫を上回るでんぷん量があり、外皮・果肉ともに白色。黄金千貫の品種改良型で、熱しても甘くなく食用には不向き。焼酎造りにはもってこいの性質を兼ね備え、フルーティな焼酎が生み出されます。栗黄金芋の特徴
抜群の食味を誇る原料芋ですが、栽培が困難な品種です。そのため、栗黄金を使った焼酎は多くはありません。他品種と全く個性が異なり、でんぷん質が少ないのが特徴。上品でとろりした甘みで、他の原料芋では出せない焼酎が生み出されます。白豊芋の特徴
貯蔵性が非常に高く、でんぷん原料用として栽培されている品種です。黄金千貫の欠点を補って改良され、外皮・果肉ともに白色。炭水化物含有量も多く、最近焼酎用として使われることが多くなりました。香りの強い味わいの焼酎が生み出されます。シロサツマの特徴
でんぷん含有量が非常に多く、最近、原料芋として注目されている品種です。黄金千貫の欠点を補って改良され、見た目も似ています。外皮・果肉ともに白色で白芋とも呼ばれております。熊毛地区での栽培が多く、旨み溢れる焼酎が生み出されます。安納芋の特徴
種子島の安納地区で栽培され、最も甘くて美味しいと言われる品種です。別名:「蜜芋」。外皮は桃色で果肉は薄橙色。火を通すと黄色味が増し、焼芋用として珍重されています。芋が希少なため高価ですが、非常に甘みの強い焼酎が生み出されます。紫芋系統の特徴
綾紫、種子島紫など、あまり多く栽培されていない希少な品種です。紫色の果肉は、アントシアニンによるもので、主に菓子や色素用として用いられています。他の原料芋と比べて、甘く、酸味の利いた華やかな香りの焼酎が生み出されます。紅芋系統の特徴
紅あづま、紅さつまなど、「サツマイモの王様」と言われ、甘みが強い品種です。バランスの取れた栄養素を持ち、食物繊維を豊富に含んでいるのが特徴。食用(特に焼芋)で食べられることが多く、甘く、華やかな味わいの焼酎が生み出されます。その他の芋の特徴
ブラジルから持ち込まれ、天然健康食品として評価されているシモン芋。黄金千貫と紅さつまの長所を併せ持つ金時芋。黄金千貫からの変異種紅きらら・・・ これからも様々な原料芋から多くの芋焼酎が生み出されていくことでしょう。様々な品種(外皮や果肉の色が白・赤・紫など)の原料芋から芋焼酎は造られております。一般的に知られる食用の芋だけでなく、焼酎用に品種改良されたものも多くあります。紫芋で仕込んだ焼酎(もろみ)は、鮮やかな紫色をしており、これを蒸留することにより無色透明の芋焼酎が造られます。